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「不倫」と「浮気」、日常的に使われる言葉ですが、法的な観点から見ると少し意味合いが異なります。慰謝料請求の基本となるポイントを確認しましょう。

不倫と浮気を分ける「不貞行為」とは

実は、法律には「不倫」や「浮気」という言葉の明確な定義はありません。しかし、裁判で不倫慰謝料を請求する際には、「不貞行為（ふていこうい）」があったかどうかが最大の焦点となります。

つまり、手をつなぐ、キスをする、2人きりで食事をするといった行為だけでは、原則として「不貞行為」とは認められず、不倫慰謝料の請求は困難です。慰謝料請求の対象となるのは、一度でも肉体関係があった場合と覚えておきましょう。不貞行為の回数や期間が長くなるほど、悪質と判断され慰謝料が増額される傾向にあります。「不貞行為」が発生していることが、慰謝料請求の重要なポイントとなります。

不倫慰謝料を請求するには、「不貞行為があった」という事実を客観的に証明する証拠が絶対に必要です。感情的に相手を責めても、証拠がなければ言い逃れされてしまう可能性が高いでしょう。

有力な不貞行為の証拠リスト

以下のようなものが、不貞行為を証明する有力な証拠となります。

証拠集めはなぜプロに頼むべきか？

「自分で証拠を集めたい」と思うかもしれませんが、それには大きなリスクが伴います。不倫をしている当事者は、関係がバレないよう常に行動に注意を払っています。素人が尾行すれば気づかれてしまい、警戒心を強めさせてしまうでしょう。プライバシーの侵害と捉えられる違法行為に該当する危険もあります。

万が一気づかれると、スマホのデータを消去するなど証拠隠滅を図られたり、「プライバシーの侵害だ」と逆上されたりする危険性も。被害者であるはずが、不利な立場に追い込まれかねません。

その点、探偵事務所などの調査のプロは、法に触れない範囲で、確実な証拠を掴むためのノウハウを持っています。決定的な証拠を入手するためには、専門家への依頼が最も確実で安全な方法と言えるでしょう。

「不倫」と「浮気」は日常的に使われる言葉ですが、法的な観点から見ると少し意味合いが異なります。慰謝料請求の基本となるポイントを押さえておきましょう。

やはり、婚姻関係が破綻し離婚に至ったケースの方が、精神的苦痛が大きいと判断され、慰謝料の相場は高額になります。

慰謝料が増額・減額される9つの要因

上記の相場はあくまで目安であり、実際の金額は個別の事情によって変動します。特に、以下のような要素が金額に大きく影響します。

• 婚姻期間の長さ：期間が長いほど、裏切りの精神的ダメージが大きいとされ増額傾向に。
• 不貞行為の期間・回数：長期間・多数回にわたるほど悪質とされ増額。
• 不倫発覚前の夫婦関係：円満であったほど、不倫による精神的苦痛が大きいと判断され増額。
• 子どもの有無：未成年の子がいる場合、家庭への影響が大きいとして増額。
• 不倫相手の妊娠・出産：極めて精神的苦痛が大きいとされ、大幅な増額要因に。
• 不倫相手の意図・態度：既婚者と知りながら積極的に関係を迫った、離婚させようと画策した、発覚後に反省の色がないといった場合は増額。
• 過去の約束違反：以前にも不倫があり「二度としない」と約束したのに繰り返した場合、悪質とされ増額。
• 精神的苦痛の程度：不倫が原因でうつ病などを発症した場合、診断書を基に増額される可能性。
• 不倫相手の支払い能力：収入や資産も考慮されます。

これらの要素を総合的に判断し、最終的な慰謝料額が決定されます。

配偶者の不倫が発覚しても、必ず慰謝料を請求できるわけではありません。ご自身の状況がどちらに当てはまるか確認しましょう。

慰謝料請求は自分で行うことも可能ですが、感情的な対立から交渉が難航しがちです。精神的負担を軽減し、有利な条件で解決するためには、弁護士への依頼が賢明な選択です。

1.法的な観点から最適な解決策を提案してもらえる

あなたの状況を客観的に分析し、慰謝料を増額できるポイントや、今後の見通しを具体的に示してくれます。離婚する場合は、財産分与や養育費なども含めてトータルでサポートが可能です。

2.慰謝料請求の「本気度」が相手に伝わる

弁護士が代理人として立つことで、「裁判も辞さない」という強い意志が相手に伝わり、交渉のテーブルにつきやすくなります。無視されたり、不誠実な対応をされたりするリスクを減らせます。

3.相手と直接交渉する精神的ストレスから解放される

裏切った配偶者やその不倫相手と直接顔を合わせ、交渉するのは非常につらい作業です。弁護士がすべての窓口となるため、精神的な負担が大幅に軽減されます。

4.より有利な条件での解決が期待できる

法律の専門家が、過去の判例や法的根拠に基づいて交渉を行うため、感情論に流されることなく、依頼者の利益を最大化するよう尽力してくれます。個人で交渉するよりも高額な慰謝料を獲得できるケースは少なくありません。

5.示談書などの法的な書面作成を任せられる

慰謝料の支払い方法や接触禁止条項などを盛り込んだ法的に有効な示談書を作成してもらえます。後々の「言った言わない」といったトラブルを防ぐためにも、専門家による書面作成は不可欠です。

弁護士への依頼で気になるのが費用です。法律事務所によって料金体系は異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

例えば、着手金33万円、報酬金20%の事務所で100万円の慰謝料を獲得した場合、弁護士費用は「33万円（着手金）＋20万円（報酬金）＝53万円」が目安となります。依頼する前には、必ず費用体系について詳細な説明を受けましょう。

弁護士なら誰でも良いというわけではありません。より良い解決のためには、不倫問題に精通した弁護士を選ぶことが重要です。